今回は春が旬の「スナップエンドウ」の犬への与え方を解説していきます!
スナップエンドウって犬にあげていいの?どうやってあげるべき?について、正しい知識で愛犬の健康維持に役立ててもらえると嬉しいです!
犬はスナップエンドウを食べても大丈夫
結論、スナップエンドウは与え方さえ注意すれば食べて問題ありません。
しかもスナップエンドウには他の豆とは違ってβ-カロテンが多く含まれていたり、食物繊維やビタミンも豊富なので、わんちゃんにとってもいいことづくめ!
与え方には注意が必要なので、栄養素やおすすめの食べさせ方についても解説していきます。
犬にスナップエンドウを与える際の注意点
必ず加熱して与えて!生は絶対NG
生のスナップエンドウには「トリプシンインヒビター」と呼ばれる、消化作用を阻害する成分が含まれています。
そのため生で与えてしまうと消化不良を起こし、下痢や嘔吐・呼吸困難を引き起こす原因となります。
生では絶対に与えないでください。
筋は取り除こう!消化不良の原因に
太めの筋があることは皆さんもご存知かともいますが、人が食べても口に残る存在感ですよね。
わんちゃんは人間よりも消化が苦手なため、筋を無理に飲み込むと消化不良や下痢の原因となってしまいます。
人が食べるときと同様に、筋は取り除いてから与えてください。
スナップエンドウの豊富な栄養素のメリット
スナップエンドウ、スナックエンドウ、実はどちらも同じ野菜を指しているので、呼び方は人それぞれかもしれませんね。
そんな犬も食べられるスナップエンドウですが、きっと皆さんが思っている以上にすごい野菜なのです。
色々な栄養素が含まれていて愛犬にもメリットの多い食材であることは間違いありません。
豊富な食物繊維で便通を良くしてくれる
スナップエンドウに含まれる食物繊維はほとんどが不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維の特徴として、腸を刺激してぜん動運動を促進、さらには便のかさましをする働きがあるので、便通を促進してくれます。
また、有害物質を吸着して便と一緒に排出する効果もあります。
便秘気味のわんちゃんには積極的に摂取したいですね。
β-カロテンで皮膚の健康維持や老化防止
β-カロテンと聞くと緑黄色野菜に多く含まれているイメージでしょうか?
この緑鮮やかなスナップエンドウにもたくさんのβ-カロテンが含まれています。
- 皮膚・粘膜の健康維持
- 細胞増殖の調整
- 抗酸化作用
β-カロテン含有量 | 69μg | 17μg | 7μg | 4μg | 3μg | 1μg |
---|---|---|---|---|---|---|
たんぱく質量 | 21.7g | 20.0g | 20.3g | 36.7g | 33.8g | 19.9g |
脂質量 | 2.3g | 5.2g | 2.2g | 25.1g | 19.7g | 2.2g |
(※1)参照:公益財団法人日本豆類協会、簡単!栄養andカロリー計算
皮膚や粘膜の健康を保ってくれる働きもありますので、乾燥肌のわんちゃんや、フケが出やすい冬の時期にもおすすめしたい食材の一つです。
また抗酸化作用もあるため、がん予防や抑制効果も期待できます。
健康維持に必須なビタミン類が豊富
次にスナップエンドウに含まれるビタミンについてみていきます!
エンドウに含まれるビタミン類は主に4種類
ビタミンB群の主な役割は大きく分けて3つあります。
- ビタミンB群全体:酵素をサポートする(補酵素)
⇒・皮膚を健康に保つ
・神経の働きを活性化
・血液の循環をよくする
ビタミンB群は水溶性ビタミンのため、過剰摂取になることはほとんどありません。
安心して与えることができますね。
ではスナップエンドウに含まれるビタミンはそれぞれの役割について確認しましょう!
- ビタミンB1:糖質の代謝(糖質をエネルギーに変える)
- ビタミンB2:脂質の代謝(脂質をエネルギーに変える)
- ナイアシン:エネルギー代謝を助ける
- ビタミンK:血液凝固
(※3)参考文献:犬と猫の栄養学第2版 著 奈良なぎさ
糖質や脂質の代謝にかかわるビタミンたちなので、日常で与えている中に糖や脂質が多く含まれる際には、積極的に取っていきたいビタミンでもあります。
豊富な葉酸で動脈硬化や心筋梗塞を予防する
赤血球は一定のサイクルで入れ替わっているのですが、その際に新しい赤血球を作り出すのに必要なのが葉酸()です。
たんぱく質や細胞の合成をサポートする役割があります。
また、必須アミノ酸のメチオニンが代謝される際に発生する「ホモシステイン」。
メチオニンの代謝には葉酸が不可欠なのですが、不足するとこのホモシステインが停滞していしまい、濃度が上昇してしまいます。
ホモシステインが上昇すると、動脈硬化や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まると言われているのです。
過剰に取る必要はありませんが、意識して摂っておきたい栄養素です。
スナップエンドウの毒性とアレルギーの可能性
犬にとってのレクチンの影響
レクチンは豆類の種に多く含まれる物質で、人間が食べると美肌効果や認知症の予防といった効果が期待できるのですが、わんちゃんが多量摂取をして体調不良を起こすなどの報告が出ています。
犬が摂取することで、ビタミンやミネラルの吸収を阻害、また嘔吐や下痢の症状がでる下人となることがあります。
しかしこの「レクチン」は熱に弱く、加熱処理をすれば無毒化できますので、炒めたり茹でたりすれば問題はありません。
豆アレルギー反応の症状
わんちゃんによっては豆に含まれるビシリンという物質に反応して、アレルギー反応を起こす場合があります。
そのため、初めて与える際は必ず少量から与えるようにしてください。
また他の豆類を食べてアレルギー症状が出た場合には、要注意です。
こんな症状が出たら要注意で、かかりつけの獣医師に診てもらいましょう。
スナップエンドウを使ったレシピ提案
簡単にそのまま茹でておやつとして
難しいことは考えずに、茹でてそのままおやつとしてもあげられます。
茹で時間は3~4分程度で問題ありませんが、シニア犬だったりお腹が強くないわんちゃんの場合は、茹で時間を少し伸ばして柔らかくし、茹でた後も細かく刻んであたえることをオススメします。
油で炒めてβカロテン・ビタミンKの効果UP
スナップエンドウに含まれるβカロテン(変換してビタミンAになる)・ビタミンKは脂溶性ビタミンと呼ばれ、脂質に溶けやすい性質を持っているので、栄養素を無駄なく摂取することが可能です。
- ごま油
- オリーブオイル
家にも常備されてることが多いこの2つの油には、必須脂肪酸の「リノール酸」が多く含まれるので、コレステロール値下げてくれたり、アレルギーの抑制にも効果が期待できます。
スープに入れてビタミンBや葉酸の効果を高める
水溶性ビタミンであるビタミンB・葉酸は熱に弱い性質を持っているので、こちらをしっかり摂取したいのであれば、スープにして煮込むのがオススメです。
少量のお水とチキン(他肉でもOK)・スナップエンドウを煮込んで、スープごといつものフードにかけてあげるのもおいしそうですね。
まとめ
スナップエンドウの知識が深まったのではないでしょうか?
それでは今回の内容を振り返ってみます!
- 犬にスナップを与えて問題ない!
- 犬にとってプラスの栄養素が豊富に含まれている
・食物繊維が豊富で便通が良くなり、腸内環境も整う
・抗酸化作用でがん予防
・貧血予防やエネルギー代謝を助ける
・皮膚被毛の健康維持で乾燥やフケが出やすい子にもオススメ - ただし与え方には注意
・必ず加熱してから与えよう
・筋は消化不良の元、筋取りは忘れずに - 調理法で吸収率の高まる栄養素が異なる!
・βカロテン・ビタミンK ⇒油で炒めるのがオススメ
・ビタミンB・葉酸 ⇒スープとして煮込んで食べるのがオススメ
明日からおやつとして愛犬にもあげたくなってきませんか?
いつものフードのトッピングとして、煮込んだスープと一緒に与えるのも手作り感のあるごはんになるので、わんちゃんも大喜び間違いなしです!
少しでもこの記事がみなさんと愛犬の生活を彩ることに貢献出来ていたらうれしいです。
愛犬との生活がもっと彩られますように!ほなね~。